星葬/
蒸発王
のまま星になれば良いのに
と
ちらっと願い
離れて
行ってしまった
夫に
夫を奪っていった
冷たい宇宙に
私を暖かく包む
この
鋭利な闇の匂いに
鼻の奥が
痺れて
蒼い眼球から
小さな海が飛び出した
海は
無重力の中
星の形を作り
其れは
人間の故郷と
似ていた
さようなら
私は
まだ
還らないから
待っていて
帰ろう
涙に似た
あの星へ
帰ろう
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