熱/松本 涼
で手を洗い
(念のため二度洗った)
床にいつか100円ショップ゚で買っておいた
木製の小さなまな板を置いて
その上で粘土をこねた
粘土は僕の熱ですぐに柔らかくなり
その感触はとてもキモチが良かったので
僕はいつしか夢中になって粘土をこねていた
一時間ほどこねていただろうか
気がつくと粘土はほとんど
僕の手の中に無くなっていた
不思議に思いながらもそのまま
小さくなった粘土の玉を
まな板の上で転がしていると
やがてそれもすっかり消えてなくなってしまった
僕は途方に暮れて
しばらくの間そのままの体勢で
ぼん
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