ただの独白。誰にも読まれなくて構わない。/あさみ
かどうかは解らないが(いや、心の傷となって今でも彼女を苛んでいるかもしれない)、とにかく彼女に謝らなくては、と思った。
しかし話しかけようにも、もう長い間口を聞いていない仲だし、なにより、自分がそんな酷い事をしたのだと、自分は愚かな人間ですと、彼女の前で認めるのには相当の勇気が必要だった。
そうしている間に月日は過ぎ、ある日突然知ったのは彼女がもう同じ学校にいないという事だった。クラスも違い、仲の良い存在でもなかったために情報が廻ってくるのが大幅に遅れた。その事実を知った時には、彼女の姿はもうこの町のどこにもなかった。
ついに謝罪することができないまま、彼女は私の前から姿を消したのだ。
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