ただの独白。誰にも読まれなくて構わない。/あさみ
だ。
S、ごめんなさい。
私はもうすぐ大学生になるけれど、未だにあなたの事を忘れられません。あなたの幸せそうな笑顔と、私しか知らないかもしれない、悲しみに歪んだ笑顔を忘れられません。
ここで呟いたって届かないでしょう。きっと叫んだって届かないでしょう。でも、先日、小学校の卒業文集を見つけてしまって…。吐き出さずにはいられなくなりました。こんな、未だに卑怯な私を許してください。
将来の夢、という欄に、皆が「大富豪」だの「ドラ○もん」だの書き込んでいる中、あなたの簡潔すぎるコメントは一種浮いていて厭でも目に入ります。「水」と。その一言だけが書かれて、ある意味淋しげなコメント欄に、私の涙が落ちたことはあなたはやはり知ることはないのでしょう。
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