リルケたまねぎ(佐々宝砂様作)〜リルケによせて〜/ポロリ
 
った過酷なところがある。しかし、リルケを読む詩人は、リルケを余すところ無く食し、咀嚼し、血肉としなければならない。
と。

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     毬

 まるいものよ 諸手から温もりを奪って
 それを無造作に まるで自分のもののように 飛び立ちながら
 上空に解き放つものよ もろもろの事物のなかにとどまっていることができず
(注:「熱」のこと)

 しかも外界に居並ぶあらゆる物の中から
 突然 目に見えず我々の中へ辷りこむ
 その限りでは十分に事物となっているもの それがいま
 お前の中に忍び込んだ お前 
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