リルケたまねぎ(佐々宝砂様作)〜リルケによせて〜/ポロリ
 
前 上昇と落下の間で

 なお躊躇っているものよ お前が立ち昇るとき
 まるでそれをつれて昇ったように
 お前はいま投擲を運び去り 解き放し――そして自らは傾きながら
 一瞬 立ちどまって 遊んでいる子供たちに
 突然 上のほうから新しい位置を指し示し
 彼らを整頓して まるで舞踊のような姿勢をとらせる

 それからみんなに待たれ 望まれながら
 お前は素早く 無造作に 何の技巧もなくまったくの自然の姿で
 高くさしあげられた諸手の杯の中へ落ちてくる

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 本詩を読後、この「毬」という詩を読むと、まさしく今日のリルケとその詩を表しているかに思える(そんなわけないが)。リルケとその詩は毬であり魂という熱を発散していると。「リルケたまねぎ」はそれ自体では表層的で本質では無いのである。
 毬もたまねぎも、まあるいところが、良いではないか。

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