リルケたまねぎ(佐々宝砂様作)〜リルケによせて〜/ポロリ
リルケは自らに義務を課している。自分の詩をもって弱者を救うことを意図している(注:「厳粛な時」など)。
作者はそのことを意図して、「誰のための槍でも眠り」でもないと語っているのではないだろうか。つまり、リルケの詩は抵抗のための武器や鎮魂あるいは癒しとしての役目は終わったという趣旨だと、私は考える。
では、今日、読者にとってリルケとは何か。
私は、作者が次のように考えているのではないか、と考える(私はそう思っているのだが)。
リルケは詩人の魂を伝える伝道者である。
リルケの詩は、詩人の血肉となる食材でしかない。その食材には、たんに情熱となるばかりでなく、根底には苦みばしった
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