リルケたまねぎ(佐々宝砂様作)〜リルケによせて〜/ポロリ
 
。清廉で美しく永遠に枯れることの無い彼の魂が、見えてくる。その魂に触れるとき、自ずから涙が頬を伝う。

 リルケたまねぎとは、よく言ったものだと、私は感心した。しかし、作者はそれでは終わらない。

 作者は「リルケたまねぎ」は「皮に過ぎない」と述べる。
 さて、作者の言う「皮」とは何であろうか。「表層的」という意味だろうか。「栄養になる」という意味だろうか。「それ自身としての体をなしていない」という意味だろうか。「本質ではない」という意味であろうか。
 さらに、作者は「中心」ですら「皮に過ぎない」という。中心すなわち核は「誰のための槍でも眠りでもなく」やはり「皮」なのだと言うのだ。

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