河童の屁?3 (宵待ちの月)/がんさん
わたしも、久しぶりなんだけど・・・」
そうつぶやくと、僕の並びに腰を下ろした。
彼女は、ほうずきの実を掌でもてあそびながら、
何かを見つめるような遠い目つきをした。
おかっぱの髪からは、
夏の陽射しに焦がされた草の香ばしい匂いがした。
僕は、どぎまぎしてしまって、返す言葉を失っていた。
「ねぇ、何処に住んでいるの?」
「隣町。 ほら、大川ってあるだろ。あの川のたもと。
今は、アパート住まいなんだ。
でも、あと少ししたら、新しい家が出来るんだぜ。」
「すごい!」
「高尾線に影山城址てぇとこあるでしょ。 そこ。
こないだ行
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