河童の屁?3 (宵待ちの月)/がんさん
、揺らめいた。
と、その輪の中にね、気になる姿を見つけたんだ。
ちょうど、踊りが二順目に入り、
僕は、しっかりその姿を見届けることが出来た。
僕より背は高いけど、
顔の幼さからみて、一、 二歳下かも知れない。
その頃では珍しいおかっぱ頭で、
黒目のまさった瞳をした少女だった。
その黒曜石のような輝きは、なぜか、遠目でもよく分かった。
それに、あの浴衣の柄はなんなんだろう。
その頃の女の子の浴衣は、ぺらぺらの合成繊維の生地に
絞り風の花柄をあしらったものが定番だったから、
彼女の薄いブルーの地に黄色い花柄が染め抜かれた姿は、
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