河童の屁?3 (宵待ちの月)/がんさん
 
ウオッチングして歩くこと。

それは何だか、旅人になったみたいで、

知らない街の、知らない境内で、

知らない人たちに囲まれて聞く祭囃子は、

子供心にも夏の終わりを告げる何だかキラキラして物悲しい、

そんな風情に満ちていたな。

まっ、もともとが、お調子者の祭り好きではあったんだけどね。



その日も、隣町で盆踊りがあるっていう情報を聞きつけた僕は、

愛車(といっても、兄のお古の自転車だけどさ)にまたがると、

さっそく出かけることにした。

隣町は、この辺りの他の町とは少し違った感じがした。

何て言ったらいいんだろう、すべてが新しく
[次のページ]
戻る   Point(1)