河童の屁?3 (宵待ちの月)/がんさん
ウオッチングして歩くこと。
それは何だか、旅人になったみたいで、
知らない街の、知らない境内で、
知らない人たちに囲まれて聞く祭囃子は、
子供心にも夏の終わりを告げる何だかキラキラして物悲しい、
そんな風情に満ちていたな。
まっ、もともとが、お調子者の祭り好きではあったんだけどね。
その日も、隣町で盆踊りがあるっていう情報を聞きつけた僕は、
愛車(といっても、兄のお古の自転車だけどさ)にまたがると、
さっそく出かけることにした。
隣町は、この辺りの他の町とは少し違った感じがした。
何て言ったらいいんだろう、すべてが新しく
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