河童の屁?3 (宵待ちの月)/がんさん
 
しない気がした。

だって、毎日釣りをしている僕のまわりで、

飛んだり、跳ねたりしている河童どもの姿なんて、

お目にかかったこと、なかったんだもの。

「一番魚が捕れるとこ、あなただけに、教えてあげる。 

内緒だよ。」

少女は、いたずらっぽく笑う。

「兄さんが言うにはね、大名淵ってあるでしょ・・・」

僕は、うなずく。

「あそこの一番深いところに、小さな洞窟が開いているの。

そこには、ナマズや鯉がいっぱいいてね、

その奥に、淵の主が潜んでるんだって。

一度だけ、上の兄さんが、その主を見たって言ってた。

2メートルもある大ナマズ
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