河童の屁?3 (宵待ちの月)/がんさん
魚捕まえに行くよ。」
ひょっとしたら、この少女と、また会えるかもしれない。
日焼けした兄たちの後ろに、おかっぱ頭へ
ちょこんと麦藁帽子をのせた
彼女のあどけない顔が揺れている。
「すごいんだよ、家の兄さんたち。
モリでね、ナマズや鯉をいっぱい突いて来る。」
「えっ? モリで突くって、潜るの?
大川って、泳いじゃいけないんでなかったっけ?
学校の先生に、そう言われてるよ。」
「うそぉ。 みんな泳いでるよ。
男の子たちは、飛込みしたり、モリで魚突いたり・・・ね。
わたしも行くよ。 あまり泳げないけど。」
何となく釈然としな
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