火事の日の手記1/炭本 樹宏
 
  平成15年5月14日 某病院で記す

 12日の朝、茶摘のバイトに行くのに6時45分に家をでた。その日はバイトを始めて3日目だった。茶摘をし始めてすぐに妹から携帯電話が鳴る。なんと、家が燃えているとの連絡。
 しばらく、「うそやろ、うそやろ」頭が真っ白になる。妹がそんなイタズラ電話をするはずがない。
 まず、会社に電話して事の次第を伝えて、農家の主人に話して仕事を中断して帰らせてもらった。混乱して歩きながら、とりあえず、警察に電話すると、僕の向かいに住んでる警官をしてるご主人がでて、びっくりした。こんな偶然もあるものなのか。
 そして、近所の先輩のところに電話して家の様子を見に行って
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