命とは・・・/がんさん
て、自分が、父になり母になると、
大空のことなどすっかり忘れて、
ひたすら地面を食らう日々。
それが、草食動物の定めなのか。
地衣類は、程よい弾力で、欲望を手なずける。
オレは、何度も反芻して、
いつも心地よいまどろみに落ち込むのだ。
それは、「むき出しに生きる」ことへの
やに下がった衒い?
それとも、フェイクか?
死を間近にしたある朝。
オレは、青色に発光する「命」の正体を確かに観た。
それは、哀しいくらい凛とした夜明けだった。
静かに夜の帳は開けて、
大気の色が目覚めるとき、
オレの顔が、天空
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