睨みつけた空は青かった。/椿青
きみ越しに空を睨みつけても色が変わるはずもないのですが、
いっそのこと蛍光ピンクにでもならないかと思った次第です。
(運動靴で地を踏みしめる。じゃリ、)
そこに落ちてくるのは遮断機でした。
(カーンかーんカーン、)
わたしときみ、実はお互いをずっと見ていているのです。
遮断機が三往復半している間、ずっとですよ。
(ランプはチかちカと光っているのかもしれない、)
強い風を立てて緑の列車はわたしときみの間に滑り込んできます。
(がざッ、ごと、ザーざー、――――ガた、ごと、)
長い間きみは見えませんでした。
でもわたしは姿勢を変
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