君に宛てて/Monk
を伸ばせばステレオの再生ボタンはすぐそこにあったんだ
ねぇ、君
コーヒーカップにコーヒーを注いで少し飲んではソーサーに溢れたコーヒーをまたカップに注いで、って何を見たのか知らないけれどそれは全然間違っているんだ
ねぇ、君
夜中に突然メールで「侍?」と君はきくから、僕は「残念ながら」と返したんだ
ねぇ、君
それでもしつこく「刀は命?」と君はきくから、僕は「刀はあぶない」と返したんだ
ねぇ、君
スリッパを両足に履いて前傾姿勢で構えている君の背中に、「どうしたの?」と聞くと「カタパルト」と答える、そんな君のことが僕は好きだったんだ
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