人が待つもの5/チャオ
 
えていく水跡。

祖国を愛することと、祖国の長の決断は時としてイコールでは結ばれない。しかし、祖国がその運命を受け入れたのなら、祖国のために戦わなければいけない。なぜなら、愛するものがそこで育ち、愛するものの断片が、愛するものの笑顔がそこに残されているからだ。
深淵に、辿りついて、思う気持ちは、所詮祖国を愛すること。しかし、認めることの出来ないわだかまりが、武器を握る手に力を込めるだろう

今、の祖国を失った人々は、待ち続ける。偉大なる祖国を。かつて、愛するものが笑った祖国を。

水に濡れたアスファルトの形跡は残らない。感じようとすれば感じれるくらいの夕立の足跡が残されているに過ぎな
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