あかよ/せんたく板
 
深き湖の鏡の側で、赤味を取り戻す








              君は水面を歩く


              夜明けから朝露が、地べたに落ちるまでのことである


              往復する間に、朝と夜の時は逆行するのだろう


              穂がひと筋、舞い上がった 







       青みに隠れる虫たちの


       あまき水への欲も、いま、光の漠となりつつ


       彼らは可憐に、白日の無の中へと挑もうとしている












 
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