2100年宇宙のクリスマス/みつべえ
 
口を凌いでいたものだ。
 その中のひとつに、おお、思い出したぞ、たしか「人糞を超エネルギーに転換するためのいくつかの考察と工夫」というのがあった。
 遠い日の記憶だ。そうか、いまやっと私の想像力に技術レベルが追いついたのか。感慨深いものがあるなあ。目頭が熱くなってきた。
「す、すると」 私は思わず声に出して言った。
「わ、私が便器だとばかり思っていたアレは、人糞を宇宙船の燃料にかえるための装置でもあったわけだ」
 技師アシモフが私の手を潰れるほど強く握った。
「そうです。つまり、そういうことだったのです。この歴史的なウンコウを司る最適任者は、あなたをおいて他にはいらっしゃいません」

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