2100年宇宙のクリスマス/みつべえ
 

 私は喜びに打ちふるえながら技師の肩をつよく抱いた。ありがとう、と言いたかったが、感極まって声にならない。
 しかし、アシモフの次の言葉を聞いて、ほっかりと全身の力がぬけた。
「おめでとうございます、博士。あなたの若き日の夢が、いま、あなた自身の手によって叶えられたのです。そして、そのために私は出過ぎたことと知りながら、ささやかなお手伝いをいたしました。そうです、あなたの食事に下剤を入れたのは私です」
 そして、どこからかクリスマスパーティで使った残りのクラッカーを取り出すと、二人の頭上にかざして、景気よくヒモを引っ張った。

      

メリークリスマス!
いのちある すべてのものたちに
ひとしく 食糧と ユーモアを



※去年「めろめろ」のクリスマス特集に出したものを改題しました。
ちょっと早いけど、メリークリスマス(笑)
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