2100年宇宙のクリスマス/みつべえ
 

「もちろん、このニュータイプ『ハインライン号』の試乗のためですよ、博士」
 私は少しムッとしたので、ここぞとばかり不満をぶちまけることにした。
「はっ、何がニュータイプなもんか。外装も肝心のワープ航法の設備も従来の『E・E・スミス』式と同じじゃないか、いや前よりも後退している。なんで後尾にあんなドデカイ食品庫をつくったんじゃね。あれでは燃料の置き場がない。早晩ガス欠で立ち往生するわい。宇宙エネルギー学の権威として言わせてもらえば、こんな宇宙船を設計したヤツはアナクロニズムのクソヤローじゃ!」
 それを聞いて船長は、今度は大声で笑った。
「いやあ、これは画期的なニュータイプですよ。この新船
[次のページ]
戻る   Point(4)