2100年宇宙のクリスマス/みつべえ
新船を任せられて私はたいへん名誉に思っています。あ、ちょうどメーカーの人がやってきました。詳しいことは彼に聞いてください」
クラーク船長は実にスマートに敬礼すると、規則正しい歩調で司令室の方へ去った。
彼と入れ違いに宇宙船製造の大手「ファウンデーション」の主任技師アシモフが近づいてきて唐突に言った。
「ご気分はいかがです。なにしろこの船は、あなたが動かしていると言っても過言ではありませんからな」
そしてまじまじと私の顔を見た。
「ど、どういう意味かな?」
私は急に不安になって言葉を詰まらせた。
「この船には既成の燃料は一切積んでおりません。あなたもごらんになったと思いますが
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