プール跡/フユナ
 
の中で不思議なアクセントを加える。食べるととても、
ミチコちゃん、はサトウくんと比べて落とし物だ。そこにぽつぽつと落ちていて、話したりしない、もちろん。人の形もしていない。ミチコちゃん、という名前は例えば、コロッケの衣のかすのようなものだ。     やさしいかす



そういえば、サトウくんは海パン姿で立ってる訳じゃない。服を着ている。白いシャツにカーキ色のズボン、汚れてほつれている。胸に名札と血液型、わたちたちは何度も血液型占いをした。これからの運命。頭は丸刈りだ。のばしてみなよ、とわたしは夏の度に言っている。泳げる気がしない。サトウくんはずっとわたしたちに言わなかった。



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