終焉の祝砲/紫音
その旗に何を染める
一瞬で消えて無くなる小さな鼓動は
ただ人知れずリズムを取り
数瞬の後に擦れていく黒の瞳は
闇雲な情熱にうなされている
伸ばした背に見えない翼を生やし
飛べるはずだと信じて天にダイブする
薄汚れた翼で
汚辱されたその手で
何を妄信し狂騒に踊る
見下ろした足元に広がる漆黒の影の長さが
何もかもを飲み込むように長く伸び拡がって
見えるもの見えざるものを混沌に返す
導火線に火を点けろ
撃鉄に指をかけ
その銃身から聖痕を放て
炎は浄化の証
生は汚濁の印
光輪を掲げた信念を
血を捧げた神に示せ
白い鳩が平和の象徴であるよ
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