フリースタイル4(たとえばカフェの一席で、もしくは私鉄の一席で)/チャオ
る。電車はまもなくやってきた。
箱根まで走ろうと思い立った。
箱根まで走る。国道一号線を西へ向かう。海が広がり、小さな人間の小さな視野が捉える砂浜には、永遠と思える波が行っては帰りを繰りかえす。群がる人。水着の人々。見慣れない景色に興奮した。
夕暮れ、人気のなくなった海岸線に犬を散歩しに来た夫婦が歩いていた。海は素敵だ。限りが無い。
電車に乗って時間を見る。僕は約束の時間に遅れてしまうことが分かった。携帯電話を取り出す。メールを入れる。電車は各駅に止まる。僕は座ったまま。
永遠や絶対。揺るがない言葉が好きだ。言葉自体がトリックスターのようにある出来事を嘲笑う。永遠の愛を誓
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)