フリースタイル4(たとえばカフェの一席で、もしくは私鉄の一席で)/チャオ
 
を誓った夫婦も離婚三回目。絶対の約束を破る親友。言葉は嘘をつけない。それほど言葉は無力だ。永遠や絶対はもはや、虚像に過ぎない。あらゆる人間の行為に対して言葉は意味を変える。嘲笑う。

電車を降りて電話をする。僕は歩く。てくてく歩く。信号も、交差点も、商店街も越えて歩く。日は完全に沈んでいる。それでも始まらな暗闇。光に埋められた町。音は鳴り続ける。僕は無言で歩く。てくてく歩く。

僕は永遠も絶対も存在して欲しい。それらの言葉が、ただのまやかしになってしまったとしても、もう一度純粋な言葉の意味を取り戻して見せるから。だから、僕に、まやかしであってもいい、永遠や絶対を与えてやってはくれないだろうか。何とか、ゆっくりとでも成し遂げてゆく。第一、永遠や絶対なんて、僕が死ぬまで分からないじゃないか。だから、僕に、その言葉を与えてやってはくれないだろうか。

小さなカフェにたどり着く。待ち合わせた人と席に座る。今日は外出日和だ。騒音も街灯も何もなくならない。時間は過ぎていく。コーヒーとジャスミン茶が運ばれると、小さな会話から笑顔が出てくる。今日は外出日和だ。

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