不連続小説 『煙道 1』/クリ
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すでに標高は3,500メートルを超え、やっとの思いでたどり着いた村で急の宿を設けてもらったのだ。
いわゆる「言語の孤島」の民である大蛇族とは違い、その村ではなんとか会話が可能であった。
村人たちはとても親切で、初めて見る日本人の私たちを手厚くもてなしてくれた。
料理はほとんどが植物性であったがすこぶる美味であり私たちは舌鼓を打ち続けるしかなかった。
独特の火酒である「頓死酒」も、疲れた私たちの全身に毒のように回って行った。
あとから知ったことではあるが頓死酒はアルコール度数70%以上でありその村でのみ飲まれていた。
ニガヨモギの亜種「イタヨモギ(苦いというより痛いからそう呼ばれる
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