不確かな存在2 (空、のその後で)/チャオ
の匂いだけが引き止めることが出来た。
身長が伸びて、友達を知って、限界さえも知らされて、生きること、死ぬことを考えさせられるようになる。死んだらどうなるの?死んだら星になる。死んだら灰になる。死んだらそれっきり・・・。
褐色がかった進化の田園風景の前で、僕はわずかに何かを感じた。しっかりと、それは確かな感覚だった。でも、一歩動けば、なくなりそうだった。何が?それに手が届くにはまだ早すぎた。何かを知ろうとすればするほど、何も分からなくなっていく。だが、僕はそれを知りたかった。何が何でも知りたかった。脳裏の記憶を探し回った。引き出しを泥棒みたいに荒らして、引き抜いた一瞬の記憶。
僕は
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