不確かな存在2 (空、のその後で)/チャオ
僕は不確かな存在を知った。水蒸気のように感じた青空の霞は、褐色がかった進化のように感じた田園風景は、全部、全部、本物じゃなかった。
死んだら何になろう?水になった人。空気になった人。土になった人。僕は何になるのだろう。
絶えない時間の流れが、山の麓の墓地にも降ってくる。静かに囲んだ不確かな存在は、夕暮れの顔を見せた。誰もとめることの出来なかった午後六時。僕は立ち上がる。沼の横に立てられた平屋のガラス窓。夕食の匂いがもれたくる。小さな小道を降りる。家へ向かう。
死んだら何になろう。僕は夕食になろう。
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