鈴木いづみが教えてくれた/佐々宝砂
なシロモノだ。
古いものを笑うのはかんたんだ。「美しい十代」なんか聴いてみろ、大爆笑ものだ。でも「美しい十代」はヒットした曲だ。今では想像もできないが、マジメに人気があったのだ。流行っている最中に流行を疑うのはむずかしい。若いとさらにむずかしい。80年代当時の私は「美しい十代」を大喜びで笑い転げて聴き、チェッカーズを指さして笑ったが、YMOやクラフトワークを笑えなかった。DEVOも笑えなかった。テクノはただかっこいいと思った。私も時代に騙される人間だ。それは認めざるを得ない。
私は90年代あたりから時代の流れに沿わなくなった。年齢のせいかもしれないし、時代の色彩が私好みでなかったせいか
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