破壊的衝動による狂乱の独白/虹村 凌
 
訳じゃない。そう思える、毎日なだけだ。
明日、背中を刺されて、野垂れ死ぬかも知れない。
でも、それが俺の目の前にあるスイッチなんだろう。
そんな何でもない日常に、俺は死にたい。
幸福の中で死ぬくらいなら、俺は何でもない日常に死のう。
幸福をつかんでしまえば、何時までも停滞していたくなるだろうから。



歩道橋の上で、詩は生まれなかった。
でも、俺の中に、幸せは生まれた。
空は曇っていて、うっすらと月明かりだけが見える。
そんな、幸せ。星が無くとも、幸せな煙が立ち上る。
それだけで、いい。
愛すべき友人達が、何故、悩んでいるのかわからない。
彼らには家庭があって、帰る
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