天使に非ず/
 
どうしちゃったんだろう。元々薄かった生きたいという欲が、日毎に目減りしていった。そして、絶対に言ってはいけない一言が頭の中に浮かんでは消えた。彼女を抱き締めながら、俺は死のうといつも思っていた。裏切りだと分かってはいたが、仕方なかった。俺は、何者なのだろう。何故、彼女は俺にだけ好きというのだろう。背中の温もりが、こんなに切ないのはどうしてだろう。彼女は何処へでも行ける。でも、俺は、最初から何処へも行けない。いつか彼女の目が覚めたら、俺はきっと、ゴミ捨て場か何かで気が付かされる。

彼女は、俺が好きだったんだろうか?

そう問いかけてしまうことは、俺が、生きてきたこれまでの全ての時間、自分に
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