小説の習作 原稿用紙八頁 #04/田中教平
き取れなかったんだよ。ついていきますよ」
カナはため息をついた。
「ご免、なんか怒りっぽくなっちゃって」
ユウスケは、おーいお茶のペットボトルを机に置いた。カナの「ご免」という声は、どこか遠くから届くように聞こえた。
「いいよ、別に。気にしてないよ」と言おうとして、声が喉の奥でつかえた。代わり、曖昧なうなずきだけが出た。
雨脚は少し強くなっている。窓の外の景色が、薄い膜をかけられたようにぼやけて見えた。
カナはスマートフォンをいじりながら、ぽつりと言った。
「なんかさ、最近、自分でもよくわからないの。怒りが先に出ちゃうのよ。ほんとは、そんなつもりじゃないのに」
ユウスケはペットボ
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