小説の習作 原稿用紙八頁 #04/田中教平
 
トボトルのキャップを指で転がした。
「うん・・・まあ、そういう時期なんじゃないの」
自分でも驚くほど、単調な声だった。
カナは少しだけ笑った。
「ユウスケって、そういうとこあるよね。淡々としてるっていうか」
淡々。淡々としている。
ユウスケは、机の上のノートパソコンに視線を戻した。画面には、自分が書いた文章が並んでいる。
昨日の自分が書いた言葉たちが、今日の自分にはまるで他人の手紙のように感じられた。
「ねえ、ユウスケ」
カナがまた声をかけた。
「明日、ほんとに大丈夫?無理しないでよ」
ユウスケは、少しだけ息を吸って、言った。
「うん。行くよ。行けると思う」
十二時になった。そして二人昼食を摂る事にした。

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