小説の習作 原稿用紙八頁 #04/田中教平
を尻目に、書斎に向かった。
暖房をつけて、一人、机にかじりついて考えていた。胃の入り口あたりの皮膚を、指で押す。痛みが走る。外の雨は一向に止みそうにない。ユウスケは今日事業所を欠勤する事にして、スマートフォンで連絡を入れた。
連絡を終えると、ユウスケはスマートフォンを伏せて、しばらく机に額をつけた。雨音が一定のリズムで窓を叩いている。外の世界が遠くなるような音だった。
胃の痛みはまだ残っている。深呼吸をしてみるが、胸の奥がつかえる。
(今日は、無理だ)
そう思うと、少しだけ肩の力が抜けた。
書斎の空気は暖房で乾いている。ユウスケは椅子にもたれ、天井を見上げた。何も考えたくないのに、考え
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