小説の習作、原稿用紙八頁 #03/田中教平
うにないときは、タクシーを利用する。カナは、本心では家計に影響するので、タクシーは使いたくなかった。だが、普段、家事に、創作、ものづくりに忙しないカナのタクシー利用度が増えた。ユウスケは
「しょうがない、しょうがない」
と、繰り返してカナを励ますだけだった。
それならいっそ、駅の傍にある、クリニックに移ってしまった方が、絶対に楽である。金銭的にも、肉体的にも負担は少ない。しかしカナには懸念があった。カナは夜、具合が悪くなったとき、病院に電話して、夜勤の看護師に話を聞いてもらっていたのだった。それがクリニックへの通院となると、夜、電話で話を聞いて貰えなくなる。
なによりカナにとって主治医が
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