小説の習作、原稿用紙八頁 #03/田中教平
ンには「構想」が必要になりそうだと思ったがしかし、私小説にも「構想」が必要だという事に想い至った。何も私小説だからと言って、筋違いな事は書けないものだと思った。
描写する或る一日にドラマがあればいい。これも期待できそうになかった。ならば、別々の日のエピソードを紡ぐしかない。ユウスケは悶々と考えていたが、とにかく書き出した。
しかし
「ねぇ、ユウスケ。先生への手紙が書けた」
カナが書斎に入ってきた。先生、というのは来月限りで退職してしまう精神科の医師の事で、カナの主治医だった。
ユウスケの主治医はころころ変わった。それに比べて、カナの主治医が変わるのは、初めての事だった。カナはこの先生に
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