あうろら/あらい
 

ちいさな船内を おちていくもの
あるくもの こちらをみるもの
わすれないように、またな
千景は目を伏せて答える

初めて口にした親指の晦い階段を下りるとき
今しがた沈んだパイプ椅子ごと草原を喰む
母の髪を梳いた感傷にしぶくヒカリも
潮流に沿って往来していた
破損データ、の、ページをくだる旅
鵺の薄皮もゆっくり脈打ち
航海日誌をつつくポリリズムの宙域で
振り返ると黒いノコギリが目を開く
二等席の時間は単線ではなく
地球には存在しない蜈蚣が浮かんでいた
疲弊した時計にさざなみは帯が速めるシンバル

なぜに うたたねの人さし指
身を寄せた黒猫は じっと受け止めてい
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