一日半/田中教平
 
ながら、遂に女性は何も告げなかった。
ただ、怒りか、泣きたい心情があってそれを誰かにぶつけたいのか。ユウスケが去った後も、女性はただひたすらに路上に立っていた。
(今日は悪い気の流れている方へ、出てしまったのかもしれない)
 ユウスケは歩きながら考えた。ユウスケは浄土真宗本願寺派で、占いの類は信じない事を旨としていたが、日の良い・悪い、は気にするは、この方位は良い・悪い、考えてしまうタチがあった。ユウスケとカナの自宅は、裏道を入って、更に奥に入った所にあったが、ユウスケは常々、こう、自宅が奥の奥では、気の流れが悪いんじゃないか?と考えていた。
そうして、ユウスケとカナの持病──精神病もよく
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