二月の初め/田中教平
 
「うーん、これだけの薬を飲んでいたら、普通の人だったらぶっ倒れちゃう」
と言った。
薬があって平穏という訳でも無かった。いつのときも、なにとなくだるい。眩暈がする事もあった。涎を垂らしてしまう事もあった。薬の副作用の説明書きで当てはまる点が多かった。しかし、ユウスケはあの不快な幻聴や妄想が現れませんようにと、祈りのように多量の薬を服すだけだった。ユウスケは基本的にはポジティブ・シンキングで、寧ろ、反省が足りないくらいだった。
「ちょっと出かけてくるよ、散歩」
「携帯持った?禅のお寺さんまで行ってくるの?」
「携帯はあるよ、そうだよ、行ってくる、運動!運動!」
 本当は、カナも連れてゆく
[次のページ]
戻る   Point(0)