咲子?/たま
 
てあるのは、母とおなじ中学校を卒業したからだという。
咲子「ほら、卒業記念にもらったでしょ? 学校で使ってたゴム印」
六男「……そんなのもらったかなあ?」
咲子「もらったわよ。あたしはね、母のゴム印見てたから、一年のときに担任の先生に借りて押したの」
物怖じしない利発な女の子だったのだろう。
咲子「母とおなじゴム印がすっごくうれしくて、もうそれだけで、大人になった気がしたわ」
六男「なるほど、お母さんの形見なんだ……あ、でもこれ、お姉さんのゴム印がないよ……」
咲子「ん、……姉はね、好きじゃなかったの。国語とか、作文とか……ねえ、リクオさん。これって、セリフばかりなの?」
 怪訝そ
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