咲子?/たま
 
問いに含まれる主語や述語は、わたしには、つながらないイメージの羅列のようなもので、着地点が見つからないわたしは、いつも迂回して問い返すしかなかった。
「……それで、ショウコはどっち?」
 それが最善の処置だった。
「あたしはね、カタカナはおしべで、ひらがなはめしべなんだとおもうの……」
「ということは……中国で生まれた音読みと、日本で生まれた訓読みが、受粉して……日本の漢字が生まれたって、こと?」
「ん、そうじゃなくて、日本の漢字はね、雌雄同体なんだとおもうの」
「え……シユウドウタイ?」
 こうなるともう処置のしようがなかった。
「……雌雄同体の生きものってね、環境の変化に合わせ
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