大寒の頃/田中教平
 
を痛め、今では朝頃になるとカナはユウスケに腰を突き出して、ユウスケが軟膏を塗ってやる、というのが習慣になった。そうして、以前までふたり、水道代を節約する為に、夕べはシャワーで済ませていたが、カナのその腰痛を緩和する為に、湯を沸かして入るようになった。
 ユウスケは浴槽を女の肌でも撫でるようにこすると、一気に冷水で風呂洗剤を流し、浴槽の栓をした。しかし、カナが風呂に入る時間がいつも遅いので、まだ、湯は入れない。
 風呂掃除の丁寧さとはひきかえ、ユウスケの体を洗う調子は髪、首筋、腋、下腹部、脚の先は丁寧洗うけれども、他は雑だった。
 というのも、ユウスケは、統合失調症を患っており、障がい者手帳2
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