戻す理由/後期
 

飲んだ、という行為そのものが、すでに判断でした。胃が受け取ったかどうかは問題ではありません。受け取るべきものは、すでに受け取られている、という顔でした。

胸に手を当てても、鼓動は聞こえません。
聞こえないのではなく、聞く価値がない、という沈黙です。心臓が動いているかどうかは、生きているかどうかと同義ではない。主人は、そういうふうに生きています。

部屋の空気は重くありません。
ただ、密度が高い。余計なものが削ぎ落とされ、意味だけが残っている。内臓が裏返ることで、身体はより簡潔になったように見えました。

主人は言いました。
「中と外の区別は、思っているほど重要ではない」
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