短い日記/由比良 倖
 
に連絡するのが億劫でたまらない。それで夜、真っ暗にした部屋で目を開けていたりすると、世捨て人になったと思って、世捨て人というのは世を捨てた人じゃなくて、世から捨てられた人なんだと思って、ダークな気持ちになる。少し、自分が狂うか、もう既に、自分が少し狂っているんじゃないかという気になる。その感覚は、少し怖い。
 ともかくは、カフェイン入りのサプリメントを飲んで、読書を続けようと思ってる。強烈な喜びからは遠のいているけれど、段々難しい本を読めるようになるだろうと思うと、生き延びていく希望だけは湧いてくる。あとは、少しギターを弾いたりとか、一日中音楽を聴いていたりすると(大抵、読み書きするときはヘッド
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