ネガティブ・ケイパビリティについて/由比良 倖
あるのは自己満足ではなく、自我の完全な消失で、そして僕は、自分が消失したときにだけ、世界の在りようが、本当の意味で真実そのままに、ありのままに感じられると思ってる。
ありのままに感じることが、多分愛なんだと思う。「愛」って使い古されてて、もうもともとどんな意味だったのか、希薄化して分からなくなってるけど、多分愛って、一切見返りを求めない感情のことで、愛のある行為って、対価を求めずに他人に奉仕すること(例えばボランティアとか)よりも、さらに一歩進んで、たとえ一人きりでいたとしても、人だけじゃなく世界の全てを、そのままに(受動的に)受け容れて、自分自身についてもまた世界の自然な一部として感じること
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