真夜中の産物/ホロウ・シカエルボク
 
識しろということだ、俺はそう解釈している、まだそれが俺の生活になにかを及ぼしたことはないし、なにかしらの障害となったこともない、道端の花みたいにただそこにあるだけだ、道端の花と違うのは居なくなったことがないというところだ、枯れて散ったり、踏み潰されたりすることがないということだ、イメージを抱き続けることで起こる変化というものを自覚したことがない、もしかしたらそれは俺を動かすためのものではないのかもしれない、美術館に飾られた絵画みたいに、自分がそこでそれを眺めているわけを問うためのものなのかもしれない、いや、これも違う―それは額縁の中に収められているわけではない、明確にこれだというビジョンを持っては
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