真夜中の産物/ホロウ・シカエルボク
 
てはいない、だから俺はそれをどこかで持て余しているのかもしれない、違和感を抱き続けているのかもしれない、時計の針は進む、起きていればこうして存在を問い続けるのには向いているくらいの時刻だ、思えば俺の思い出というのはそんな時間に起こるものばかりだった気がする、人生の半分くらいはまともに眠れなかった、選んで眠れないのか、ただ眠れないのか、それすらもわからなかった、だけどそう、そんな時間にこそあれこれと書いていたような気がする、もちろん、昼間にだって書いてはいたけれど…考えてみればいつでも、真夜中に向けて書いていたような気がする、真夜中にそれを自分自身の最奥へと落とすために、飲み込むために書き続けている
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