3(ミ)/百(ももと読みます)
ひとりぼっちのお部屋
11-17-2025
くるしみの最中に漕ぎだす舟といったところか。数珠つなぎで血の顔をする光りの洪水のなかでながれでるこの哀しみはなんだろう。
ぽたぽたと落ちるしずくを手に集めると胎児のようなぼくがいて、息、していないって、気づいた瞬間から夢が明けてゆく。
はっと気づくと、アパートメントにぼくはいて、朝の時間のすこし前にいなくなった夢のカケラについて想う。
*
ぼくのことは死んだことにして。オトウサンの前でも、ぼくの名前をくちにだしてはいけないよ。ぼくは生まれないでいい命だ。
お眠りする前日の昼間に、おかあさんへと確かにそうお伝
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